焼き鳥店取扱商品が分かりやすく値段も安価なイメージがある焼鳥店は、中高年男性をメインターゲットとして仕事帰りの「ちょっと一杯」に対応した店舗が多かった。しかし、長引く景気の低迷により中高年男性の居酒屋などへの消費支出が減少しており、焼鳥店の市場規模も減少傾向にあります。従来は「店内が汚れていたり、煙が立ちこめている」というイメージが強くあったため、外食頻度の高い女性や若者といった層に敬遠されがちでありましたが、近年は、スタイリッシュな内装や、煙が客席に届かないように空調の整備を行なうなど、工夫を凝らして清潔感を打ち出した店舗が増え、客層の拡大に成功しています。低価格をウリにしている店舗と、鶏肉の銘柄にこだわり高価格ながら支持を得ている店舗とに、二極化している傾向にあります。開業にあたって必要な手続き食品衛生法に基づく営業許可飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられています。食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要です。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できます。一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをします。深夜酒類提供飲食店営業の届出深夜(午前0時から日の出前)において酒類の販売を行なう場合、「深夜酒類提供飲食店営業」として公安委員会への届出も必要になります(問い合わせ先は地域の警察署・保安係)。開業にあたって留意点・準備立地条件適正立地は、主要客層によって異なります。主婦層…適正立地は商店街や団地などのある住宅地が適しています。持ち帰り販売が中心となります。サラリーマンや学生…オフィス街や人通りの多い繁華街が望ましく、アルコール需要も見込めます。また、店舗規模としては、持ち帰り専用であれば1坪でも可能ですが、客席を設ける場合は10〜20坪程度は必要でしょう。 店舗施設内装は、女性客の利用が増えていることから『清潔感とセンスある内装』を目指すことが望ましいでしょう。とくに、清潔感の演出には気を配る必要があります。従来の焼鳥店には、脂や煙で汚れて清潔感に欠ける店が多く見受けられますが、来店客に不快感を与えないよう内装やクリンリネスに力を入れて、女性に好まれる店づくりを目指すことが望まれるでしょう。 メニューづくり[オリジナルメニューの開発]焼鳥は鶏肉が基本であるが、豚や牛などの肉や内臓を提供している焼鳥店も増えています。肉以外にも魚、貝、野菜などさまざまな材料を使った串焼きなど、提供速度や品質に支障をきたさない範囲で多く揃えると良いでしょう。 [ウリとなる吟味した食材]舌の肥えた消費者に対応するべく、使用している鶏肉の産地を前面に打ち出している店舗や、数種類の地鶏を調理法などによって使い分けている店舗が増えています。さまざまな産地の鶏肉を試し、自店のコンセプトにあった食材(地鶏など)を見つけることが望ましいでしょう。また、地鶏を使用することにより、食材コストが高くなるため、原価の安いメニューを取り入れ、コスト配分をコントロールすることも大切です。 [ドリンクの品揃え]カクテルや食前酒などを揃え、女性客を取り込むなど。全国各地の珍しい銘柄の日本酒や焼酎などを揃えてアピールポイントにするのも良いでしょう。 [タレへのこだわり]焼鳥店ではタレも重要となります。しょう油、みりん、砂糖のほか、大根おろしなどを加味して『自店のタレ』を試行錯誤しながら生み出します。 開業にあたって必要な資金(例)駅前立地の繁華街1階に20坪、40席の焼鳥店を開業する場合の必要資金例項目初期投資額店舗取得費広告宣伝費(20カ月)4,800,000仲介料240,000小計5,040,000設備工事費内装工事費12,000,000厨房設備工事費2,000,000付帯設備工事費4,000,000エアコン4,000,000フードダクト4,000,000POSレジ1,500,000小計27,500,000開業費食器厨房器具類(注1)1,500,000印刷・DM等販促費300,000メニュー150,000ユニフォーム250,000募集費150,000開業前人件費300,000開業前賃借料240,000開業前賃借料240,000保険・保健所75,000BGM100,000総計35,605,000(注1)グラス、食器、調理器具、ホール用品、衛生用品 ビジネスプラン策定例(モデル収支例)売上計画例 客数(人/日)客単価(円)客席回転率(回)日 商(円)営業日数(日/年)年商(円)平日(月〜金)522,6001.30145,20026338,187,600土曜日442,6001.10129,400516,599,400日曜日442,6001.10129,400516,599,400合計36551,386,400日商には、持ち帰りが1日当たり平日10,000円、土曜日・日曜日15,000円加算されています。損益計算のシミュレーション 年間増加率変動費率初年度2年度3年度4年度5年度売上高1.0% 51,38651,90052,41952,94353,473売上原価 35.0%17,98518,16518,34718,53018,716売上総利益 33,40133,73534,07334,41334,757諸経費合計 26,50426,72626,95027,17727,406 人件費1.0% 14,13614,27714,42014,56414,710地代家賃1.0%(注)-2,8802,9092,9382,9672,997水道光熱費 3.5%1,7991,8171,8351,8531,872広告宣伝費 0.4%206208210212214販売促進費 1.0%514519524529535旅費交通費 0.2%103104105106107通信費 0.2%103104105106107消耗品費 1.5%771779786794802衛生費 1.1%565571577582588減価償却費 -4,2984,2984,2984,2984,298その他経費 2.2%1,1311,1421,1531,1651,176営業利益 6,8977,0097,1227,2367,352営業利益率 13.4%13.5%13.6%13.7%13.7%(単位:千円)(注)初年度240,000/月※人件費:社員1名、アルバイト4名 ※ 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
焼き鳥店
取扱商品が分かりやすく値段も安価なイメージがある焼鳥店は、中高年男性をメインターゲットとして仕事帰りの「ちょっと一杯」に対応した店舗が多かった。
しかし、長引く景気の低迷により中高年男性の居酒屋などへの消費支出が減少しており、焼鳥店の市場規模も減少傾向にあります。
従来は「店内が汚れていたり、煙が立ちこめている」というイメージが強くあったため、外食頻度の高い女性や若者といった層に敬遠されがちでありましたが、近年は、スタイリッシュな内装や、煙が客席に届かないように空調の整備を行なうなど、工夫を凝らして清潔感を打ち出した店舗が増え、客層の拡大に成功しています。
低価格をウリにしている店舗と、鶏肉の銘柄にこだわり高価格ながら支持を得ている店舗とに、二極化している傾向にあります。
開業にあたって必要な手続き
食品衛生法に基づく営業許可
飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。
また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられています。食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要です。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できます。
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをします。
深夜酒類提供飲食店営業の届出
深夜(午前0時から日の出前)において酒類の販売を行なう場合、「深夜酒類提供飲食店営業」として公安委員会への届出も必要になります(問い合わせ先は地域の警察署・保安係)。
開業にあたって留意点・準備
立地条件
適正立地は、主要客層によって異なります。
また、店舗規模としては、持ち帰り専用であれば1坪でも可能ですが、客席を設ける場合は10〜20坪程度は必要でしょう。
店舗施設
内装は、女性客の利用が増えていることから『清潔感とセンスある内装』を目指すことが望ましいでしょう。とくに、清潔感の演出には気を配る必要があります。
従来の焼鳥店には、脂や煙で汚れて清潔感に欠ける店が多く見受けられますが、来店客に不快感を与えないよう内装やクリンリネスに力を入れて、女性に好まれる店づくりを目指すことが望まれるでしょう。
メニューづくり
[オリジナルメニューの開発]
焼鳥は鶏肉が基本であるが、豚や牛などの肉や内臓を提供している焼鳥店も増えています。肉以外にも魚、貝、野菜などさまざまな材料を使った串焼きなど、提供速度や品質に支障をきたさない範囲で多く揃えると良いでしょう。
[ウリとなる吟味した食材]
舌の肥えた消費者に対応するべく、使用している鶏肉の産地を前面に打ち出している店舗や、数種類の地鶏を調理法などによって使い分けている店舗が増えています。
さまざまな産地の鶏肉を試し、自店のコンセプトにあった食材(地鶏など)を見つけることが望ましいでしょう。また、地鶏を使用することにより、食材コストが高くなるため、原価の安いメニューを取り入れ、コスト配分をコントロールすることも大切です。
[ドリンクの品揃え]
カクテルや食前酒などを揃え、女性客を取り込むなど。全国各地の珍しい銘柄の日本酒や焼酎などを揃えてアピールポイントにするのも良いでしょう。
[タレへのこだわり]
焼鳥店ではタレも重要となります。しょう油、みりん、砂糖のほか、大根おろしなどを加味して『自店のタレ』を試行錯誤しながら生み出します。
開業にあたって必要な資金(例)
駅前立地の繁華街1階に20坪、40席の焼鳥店を開業する場合の必要資金例
(注1)グラス、食器、調理器具、ホール用品、衛生用品
ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
売上計画例
日商には、持ち帰りが1日当たり平日10,000円、土曜日・日曜日15,000円加算されています。
損益計算のシミュレーション
(単位:千円)
(注)初年度240,000/月
※人件費:社員1名、アルバイト4名
※ 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。