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オフィスのよくある悩み — 分煙に関する悩み編

賃貸のお役立ち情報『オフィスのよくある悩み — 分煙に関する悩み編』

「健康増進法」の施行により進んだ、オフィスの分煙化。しかし、喫煙所の設置場所、煙や臭いなどの課題も多く、喫煙者と非喫煙者双方の意向を考慮しなければならない総務担当者にとっては、アタマの痛い問題となっています。社内で板ばさみになってご苦労されている方も多いのではないでしょうか?

 

分煙に関する法令等を知る

「健康増進法」は2003年に日本ではじめて分煙に関する法案として施行されました。この法律には、公共施設のように多数の者が利用する施設において受動喫煙(タバコを吸わない人が喫煙者の煙を吸ってしまうこと)を防止するために必要な措置を講ずることが定められ、オフィスにおいても分煙化に努める必要があります。

また、地方自治体にも、独自に喫煙に関する条例を定める地方自治体の動きが出ています。神奈川県では、2010年に全国に先駆けて「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」が制定されました。この条例では、受動喫煙の防止を図る範囲が公共施設のみならず宿泊施設や飲食店もその対象となったことから、経済的な影響を及ぼしたと言われています。今後、その他の自治体でも神奈川県同様の条例や路上喫煙禁止条例などの策定が進むことが予想されています。

 

実は知られていない「労働安全衛生法」の改正

さらに、現在国会で審議されている「労働安全衛生法」の改正案は、「職場における受動喫煙防止対策の充実・強化」に関する事項が盛り込まれる予定となっており、喫煙に関して「健康増進法」以上に厳しい基準が定められることが想定されます。この法案が成立・施行された場合は、オフィスでの喫煙に関する大幅な見直しを迫られることが必至となります。

「労働安全衛生法」改正案の喫煙に関する項目

【概要】

  • 受動喫煙を防止するための措置として、職場の全面禁煙、空間分煙の義務化
  • ただし、困難な場合は一定の基準を守ることを義務化


【数値規定】

  • 浮遊粉じん(空気中に浮遊する粉状の細かいちり)濃度:0.15mg/m3以下
  • 一酸化炭素濃度:10ppm以下
  • 喫煙室の境界風速(非喫煙場所から喫煙場所に向かう風速):0.2m/秒以上

※2012年3月時点。法案審議中ですので変更となる場合があります。

同法が現在の改正案の内容で成立・施行された場合、以下の問題が生じます。

オフィスを(1)全面禁煙にするか、または(2)オフィス内に喫煙室を設け、それ以外の場所を禁煙(空間分煙)としなければならなくなる。 (2)空間分煙にする場合は以下のようなことを考慮する必要がある。

  • 前述の基準値を満たす必要がある
  • 今まで使用していた喫煙スペースで基準値を満たさないものは、喫煙スペースとして使用出来なくなるので、基準値を満たすように改修が必要となり、コストがかかる。また、ビルの排気性能によっては改修が不可能な場合もある
  • 前項のコスト問題やビルの性能問題をクリアできない場合はオフィスを全面禁煙にせざるを得ない


【その他】
以下のような場合は、オフィス内に喫煙室を独自に設ける必要はありません。

ビル共用部などに喫煙室が設けられている場合
ビルの屋外(敷地内)などに喫煙所が設置されている場合

上記の通り、法改正後は現在使用している喫煙スペースが法律の求める基準を満たさなくなる可能性があり、基準値を満たすために新たに設備を設置するなどの措置が必要となります。しかし、ビルの築年数が古い場合、ビルの構造上、基準値を満たす換気量を確保する為の設備を設置する工事ができないなど、必ずしも基準を満たした設備を設置できるわけではありません。

 

自社は大丈夫?オフィスで確認すべきこと

現在入居しているビルがどのような対応をとるか、オーナーや管理会社に確認し、社内で対応について共有しておくことが大切です。また、これから喫煙スペースを設置予定の場合は、施行後に慌てて作り直すことにならないように、改正案の基準を考慮して計画を進めることが必要です。 現在建設中の大型ビルの多くは「労働安全衛生法」改正案に準拠した分煙設備を設置していますので、移転を検討する際に参考にするとよいでしょう。

確認のポイント
  • ビルに「労働安全衛生法」改正案に準拠した分煙施設はあるか?
  • 専有部分に喫煙スペースの設置が可能か?ビルの排気性能は十分か?
 
 
 


 
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